本文へスキップ

動物飼育の基本

診察の時にちょいちょいお話しする内容を書いてみました。
気を付けていただきたい内容ですので、暇なときにでも眺めてみてください。

@きちんと掃除しましょう!
動物種ごとに管理の基本があるのですが、一般的な飼育動物の飼育の基本は何といっても掃除です。
お話を伺うと、多くの方がエサ入れ、水入れの掃除ができてません。
「掃除してますか?」と伺うと、「やってますよ。」とお答えになる。
「どんなかんじ?」とさらに伺うと、「指でちゃちゃっと。」というお答えが最も多い。
水入れにしてもエサ入れにしても、持参があれば顕微鏡でお見せすることも可能です。糞便検査も一緒にしてた時は、水入れが糞並みに汚いことをご覧いただくことがあります。
我々の湯飲みだって、毎回きちんと洗ってるかといえばそうではないですし、見た感じだとわからないことが多いので仕方がないと思います。ただし、そういう水入れで飼育してる子は、夏場に下痢になりがちだったり、ほかの理由でケガなんかした時に、輪をかけて体調を崩しやすかったりします。
エサ入れや、床についたふんなどもおなじです。糞汚れ、環境の汚れは下痢や嘔吐を起こす原因になっていきます。また、動物がそんな理由でちょいちょい抗生物質のお世話になってるなら薬剤耐性菌の危険も出てきます。
ピカピカにみがいてろなんてばかばかしいことを言うつもりはございません。ふつうに食器用洗剤で洗って、きちんとすすいであれば結構です。除菌消臭剤やアルコール除菌なんかは必要ありません。むしろ毒かもしれません。
皆さんの食器と同じように、きれいに管理してあげてくださいね。

Aご飯は小袋で購入しましょう。
ドックフードやキャットフードだけでなく、小鳥のごはんからサプリメントなど、ペット飼育では様々な飼料を使うことになります。最近はその多くが窒素充填によって品質を保持しています。開封した時点で窒素は飛んで行ってしまいますし、中身は良質なたんぱく質ですから一気に痛みます。開封後1か月を超えたごはんを食べているだけで、肝臓酵素の数値が上がったり、下痢がおきたりします。
大きい単位で購入した方がキロ単価は安くなることが多いのですが、体調を崩すなら意味がありません。できるだけ小袋で購入して、短期間で消費しましょう。
盲点として、袋に空いたピンホールと、ロットエラーや商品単独のエラーとして、残念ながら新品開封時にすでに傷んでいることがあります。開封時はとりあえずにおいをかいでみましょう。袋に鼻を突っ込んでくんくんするほどのことはありません。でも、おや??なんかいつもと違う??と思ったときは販売店にご相談になるか、使用を中止しましょう。

Bもので「遊ばせる」は間違いです。
いろんなグッズがありますよね。かまってあげられないときにヒマにならないよう、なんか買ってあげましょうというのは間違いです。スーパーボールやネズミのおもちゃなど、勢い余って食べちゃったり、よだれの付着で下痢や嘔吐の原因になったりします。それでなくても独占欲をはぐくんでしまったり、遊んでいるところで遊びの終了を人が決めるわけですから、機嫌が悪くなったりと、あまりいいことがありません。
小鳥の飼育の場合は、デコイや鏡に映った自分に発情したり、運動スペースが狭くなったり、金属のメッキがはがれて中毒の要素になったりと、これまたお勧めしにくいものです。
ヒマそうにしてるなら遊んであげてください。遊んであげられないならほっときましょう。おそらく寝て待ってます。遊んであげられないときに「待機する」ということを覚えてもらう必要もあります。

C人の食べ物は与えない。
ついつい。。。。という話がしょっちゅう出ます。気持ちはわかります。でも、それで下痢をしたり吐いたりでご来院になるのです。昔はあげたもんだということを力説される方もいらっしゃるのですが、それで失敗したからご来院になるのです。
そういう話で傾向があるのは、昔ながらの大丈夫そうな食べ物、昔からあげてた食べ物を挙げているのではなく、最近出てきた食べ物やお菓子を与えておかしくなってることが多いんじゃないかと思います。おしゃれなチョコレートとか、キシリトールとか、聞いたことがない名前の野菜とか。目新しいものを、おいしく食べてるときにほしそうにしてたから。。。というのはわからなくもありませんが、与えるのはおやめになった方が無難です。
クリスマスや誕生祝、お正月などはいろんな事情で下痢や嘔吐になる子が多いです。シュークリームとかケーキの生クリーム、手作りチャーシューなど、食べると命がけになるかなり危険なものがいっぱいです。
これまたよくあるのですが、いつのかわからない食べ物・残り物を動物だから大丈夫だろう、動物は胃腸も強いから、なんて訳が分からない理屈であげるのはとても危険です。 やめておきましょうね。

品野ペットクリニック品野ペットクリニック

獣医師     戸田昭博
愛玩動物看護師 戸田美幸

inserted by FC2 system