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瀬戸市品野町の動物病院。品野ペットクリニックです。

健康診断について


皆様よりご要望のある健康診断は大きく分けて2つです。
1つは飼育し始めの時の健康診断。2つめは高齢になってからの健康診断です。

飼育し始めの時の健康診断は、多くの方がワクチン接種と一緒にお越しになります。
基本としては、飼育開始して1週間以上たってからがおすすめです。
その間に、その子はどういう子か?をよく観察して、飼い主様に慣れさせてください。
ワクチンの前に全身状態を確認しますし、検便もします。ワクチンは注射ですからチクっときます。「恐怖・痛みを伴う」作業ですので、嫌なことがあった後はしっかり心のケアができる環境を用意しておく必要があるのです。その日1日はワクチン接種の副反応の観察の意味も込めて付き合ってあげてください。

健康診断の際の注意事項が2点あります。
・当院でワクチン接種してもいいですか?
・当院で健康診断や治療行為をしてもいいですか?
なぜかというと、販売後の一定期間、異常事態に対してショップで保証をしてくれることがあるのですが、ペットショップに提携病院があって、ワクチンや健康診断・緊急時対応などはそこでないと保証しませんという規約があったりするからです。契約書をご確認の上ご来院ください。

2つめの、高齢になってからの健康診断については、全身のチェックに始まって、血液検査や尿検査などを行います。必要に応じて心電図検査やレントゲン検査などが加わります。
では、「高齢」とは一体いつからでしょう?
今、犬猫の寿命は13から15歳程度といわれています。各種フードを見ると、7,8歳くらいから高齢扱いですね。当院にご来院になる犬猫たちはとても元気な子が多いのが特徴です。特に数値にこだわらないで、「年とってきたかな?」と思ったら高齢とするくらいでいいと思いますが、亡くなる直前まで跳ね回ってる元気な子も多いので、10歳程度から高齢と考えて、老化現象に早めに対応するとか、いざというときのためのデータ収集をしておくのがよさそうです。

健康診断としての血液検査について

血液検査の意味は??

わんちゃんやねこちゃんは言葉をしゃべりません。
元気であればそれに越したことはないのですが、高齢化に伴う変化は出てくるものです。
検査結果には正常範囲というものがあって、それを参考に診察を進めるのですが、数値にもその子その子の個性があることがあります。体調がおかしい時の検査単体では、その解釈によっては余分な不安を抱え込んでしまうこともあります。
健康に暮らしていると思えるときに血液のデータを取っておくことで、どのような項目がどう変化しているのかを把握しやすくなります。

検査の内容とかかる時間は?

血液検査の基本項目は血球計算・生化学検査12項目(電解質も入っています。わんちゃんはCRP、LIPも測定しますので14項目)で、30分程度お時間をいただきます。
ワクチンや狂犬病予防接種と一緒にということであれば、検査結果を確認してからの接種が理想です。健康そうに見えて実は。。。。ということが残念ながらあるからです。
狂犬病予防接種については、異常値が確認された場合は、注射ができないという診断書を発行することもあります。

検査を受けるための準備は??
朝ごはんを抜いて(水は少々飲んでもかまいません)、できれば午前中に検査をすることが理想です。
ご飯を食べた後ですと、血液に脂分が出ていて、きちんと検査できなかったり、検査数値が変化したりします。また、1日の生活の中で走り回ったり、元気に遊んだ後の検査は、数値に影響することがあります。
ついでにということであっても、せっかくなのですから、正しい検査をしましょう。


富士フィルムVETシステムズ株式会社の健康診断


キャンペーン価格の適応がありますので、院内検査と同程度の内容の「ベーシック検査」なら院内検査よりも
2000円近く安価です。甲状腺ホルモン、炎症性タンパク、糖尿病の指標をたした「シニアセット」ならさらにお得に検査を受けることができます。
病気の診断は院内検査で進めますが、年に1回健康診断をということであればこちらがおすすめです。
対象動物はわんちゃんとねこちゃん、そしてうさぎさんです。
※ おとなしく2ml程度の採血ができる子が対象です。暴れる子や怒り狂って極少量の採血しかできない子は対応できません。ネコちゃんにはハードルが高いかもしれません。

※血球計算については輸送中のトラブル回避のため、院内検査として受け付けます。
※富士フィルムVETシステムズの健康診断をご利用の場合は、
フィラリア抗原検査猫エイズ/猫白血病検査なども追加オプションで安価で検査可能です。
※1週間後に検査結果のご確認のため、ご来院いただくことになります。

健康診断なら血液検査のまえに尿検査?

尿検査の意味は??

健康診断として血液検査の御要望をいただくことが増えました。
わんちゃんやねこちゃんの老化現象をチェックしておくのはとてもいいことです。

いわゆる五臓六腑の変化というのは、あまり症状となって現れません。
目に見える症状が出てしまったときにはすでに重症化していることが多いと思われます。

そんな中で、動物に針を刺すといった負担もなく、早期からチェックできるのが尿検査です。
腎臓のがんばり具合や、膀胱の様子などを知ることができます。
腎臓にまつわる血液検査の数値というのは、腎機能が5割から7割程度失われないと現れません。壊れてしまっても、残った部分で代償してしまう、すごい臓器なのです。

腎機能が低下したことによる症状やほかの病気に関連した症状は、飼い主にはなんとなく見えているんです。
「最近、水をよく飲む気がする」
「おしっこがなんとなく変?」
「排尿回数が増えたような気がする」
といったものです。
では血液検査を。。。といってもいいんですが、腎機能低下の初期、中期の場合は「正常ですね」という数値しか出ません。
血液検査よりも早くチェックできるのが尿検査なのです。だから、われわれの健康診断でも、最初に「おしっことってきてください」ってトイレに案内されるのです。

検査の内容とかかる時間は?

尿検査の基本項目は尿比重の測定、生化学検査、遠心分離した沈査の検査です。10分程度お時間をいただきます。

検査を受けるための準備は??
検査に供する尿は、

・できれば朝一番の尿は避けましょう。(一晩かかって濃縮した尿なので、通常の尿とは異なります)
・排尿時にきれいに洗ったトレイなどで受けて、当院でお渡しする容器に入れてきてください。
・検査までは冷蔵保存が原則です。冷蔵保存してあれば、4〜5時間は検査可能です。

の3点が原則です。血液検査とちがって、絶食の必要はありません。
散歩のついでにお越しいただいても検査可能です。
ワンちゃんで、結構どこでもおしっこするよ?って子の場合は、当院の庭でおしっこをとって、そのまま検査を受けるというのがいちばん簡単で正確です。ご来院時にその旨を伝えいただければ採尿用の柄杓をお渡しします。
ネコちゃんの場合は、辛抱強く待つしかありません。
トイレにネコ砂ではなくテカテカの広告を裂いたものを入れ、すぐに吸収されない状況にしておきます。おしっこをしたらスポイトで容器にとって冷蔵保存してお持ちください。

ついでにということであっても、せっかくなのですから、正しい検査をしましょう。

注:当院では、絶対的な必要性がない限り、カテーテル採尿や膀胱穿刺採尿(針を刺して尿を採ること)は行っておりません。自然排尿よりも検査に適した尿が取れるのですが、おとなしく受け入れる子はいません。採尿は特にネコちゃんで苦労しますが、がんばって待ちましょう。

品野ペットクリニック品野ペットクリニック

獣医師     戸田昭博
愛玩動物看護師 戸田美幸

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